世界遺産の島で考えたこと
退職前の有給消化中、西表島に行ってきた。
格安LCCなので、成田空港から石垣島空港へ。
そして、石垣島空港から離島ターミナルまでバスで移動し、
最後に高速船に乗り、やっと西表島へ到着。
朝一番の飛行機で移動して、なんと西表島に着いたのは15時を過ぎていた。
と、遠い・・。
それが、西表島に降り立った時の感想だ。
西表島の港は、上原港と大原港の2つ。
上原港のほうが、有名な星砂の浜などのビーチや飲食店が多い。
しかし、強風などの天候不順で、すぐに船が欠航となる。
実際、二泊三日で滞在した時に、二日間も上原港は欠航だった。
交通の便を考えても、西表島は不便な印象。
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そんな西表島へ行って考えたこと。
モノ(所有物)が少ないからことの豊かさについて。
(旅行に行く前にミニマリストや少ないもので暮らす本を
読んでいたから、余計にそう感じたかも知れない)
西表島はスーパーが二つしかない。
飲食店も、レストランというより食堂なのだけど、そもそも数が少ない。
観光客向けのオシャレなカフェは、あることはある。
しかし、圧倒的に数が少ないのである。
コンビニもないので、気軽にATMで現金をおろすこともできない。
夕食を食べたお店の人(東京から移住した方)も、
まず最初にカルチャーショックだったのが、
この「お金を下ろすことができない」だったそうだ。
その方は、10キロ離れた郵便局まで行ったとのこと。
東京では、少し歩けばコンビニやカフェがいたる所にあるし、
洋服だって、化粧品だって、欲しい時にすぐに買うことができる。
何かを欲しいと思ったら、大抵のものは自分ですぐに手にすることができる。
でも、この西表島では、そもそも売っている場所がないのだ。
スーパーだって、野菜も肉も限られた種類しかない。
だけど、この物の少なさって、実は幸せだったりもする。
なければ、ないなりに人は考える。
今、目の前にあるものを大事にする。
壊れたら修理して使う。
こんなことは当たり前のはずなのに、いつの間にか忘れていた自分に愕然とした。
最近、仕事を辞めて新しい人生を始めるにあたって、
モノを捨てる大変さに苦労したことも、そう感じた要因かも知れない。
モノって、買うことはすぐにできるけど、捨てることはその何倍も大変だったする。
粗大ごみだって、申し込んでから1カ月以上かかる時もある。
先日、ネコトイレを捨てる時は、プラスチックも切れるカッターを買って
さらに30センチ以内まで細かく切るのは大変な労力を要した。
年を重ねてきて、たまに思うことがある。
20代でまだお金がなかった頃、「お金が貯まったらベッドを買おう」
「旅行もしたいな」「新しい洋服も欲しい」
と未来を考えていつもワクワクしていた。
お金は十分ではなかったけど、自分で叶えたいことに向かって、
ただただ楽しかった。
モノ(所有物)は少なかったけど幸せだったな、と思う。
東京に帰ったら、すぐに新しいものを買うのではなくて、
一旦はそれがなくても生活できるように
本当に必要なものしか買わないように、壊れたら修理して使うように
モノは少なくても、目の前のことに知恵を絞ることに
ワクワクして生きていきたいなと思った。
西表島は、豊かな自然にも癒されたが、
何だか本当に大切なものが見えてくる場所でもあった。